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西の都の物語

hotsoul.exblog.jp

冬が始まるよ♪

その声を覚えてる

寒いと思ったら、雪か…。


煙草の煙を追い出すために開け放されたままの零下の部屋。
朝の4時。

窓の外は雪灯り。



あれ?メール来てる。

いや、メッセージ。

・・・メッセージ?

・・・珍しいな、i Phone にしてからメールしか来ないのに。


080××××…


ん?ああ、業者…


…〇6〇6









いや、これ・・・。














…マスター、か…
















トクン












って、なるよなぁ。

7年?

8年?

9年?

いや、メールとなると10年か…。



たく、着拒はするのに電話番号は消せないのか。

相変わらずだなぁ…。

消しゃいいのに、って消せない優しさが君だったね。




DAIさんこんばんわ!
本当は直接お伝えしたかったが、メールで失礼するね





…ん?なんか、変な…




って、おい!!!お伝えしたかったが、ってなんだよ。



したかった、ってさ!!!!



くっそ、さすがだな、マスター。
いきなり掴みはおkってか。
やられたぜ、ちくしょう。
いきなり雪の深夜に爆笑もってくか、ちくしょーwwwwwwww
負けたよ、君には負けた、参りました。





















って、違うな、コレ…

本当は直接お伝えしたかったのですが、


の打ち間違いだな。


ん?


本当は直接お伝えしたかったのですが、メールで失礼するね


ってのもちょい変か。


本当は直接お伝えしたかったのですが、メールで失礼します


だよな…普通





んー元々最初の文は、



本当は直接伝えたかったんだけど、メールで失礼するね



あたりか。





それを


本当は直接お伝えしたかったのですが、メールで失礼するね



って打ち直そうとして、消し間違えて、



本当は直接お伝えしたかった、メールで失礼するね



ってなっちゃったってことか。

まあ、直接伝えようか迷ってるってのとシンクロしてるっちゃしてるな。

直接か、メールか、口調をあらためるか、あの頃のように砕けた口調にするか。





クスクス



ああ、そっか。

頑張ってあらたまった口調とメールを選ぼうとしたわけね。



ガハラさんかよっw


ってことは、え?俺?貝木ポジ?泥舟さん?まじ?





でも、ないわーww「お伝えしたかった」はないわーww


それじゃ一人称、「拙者」になっちゃうよw


さすがだな、マスター。













内容は12年間続けたお店を閉めることになったとのこと。
ついてはサヨナラパーティをするから顔を出して欲しいとのこと。
その日行けなくても、しばらく店に出てるから顔を出してほしいとのこと。










行かなきゃいけないんだろうなぁ…


クスクス


クリスマスパーティでも、なんでも、誰かちゃんと来てくれるかどうか心配な時は
君は僕を呼ぶんだったね。

まだ誰もこない店で、他のお客さんが来るのをドキドキしながら待ってたっけ。

んーん、違うな。
君が呼べば、僕はどんな時でも駆けつけてたね。


ほら、ちゃんと来てくれたでしょ?

本当だー。


って、ちょっと誇らしげにタッキーと僕を試したりしてさ。



クスクス



あー、駆けつけてあげたい。
そこに立ち続けて、たくさんの人を待ち続けた君を誉めてあげたい。

ずっと待ってたんだろ?
いっぱいの人をさ。

一人でさ。









でも、行けない。

その日、みゆきさんの手術の日なんだよ。

行きたいのはやまやまなんだけどさ。

みゆきさんに変な気も遣わせたくないしね。
















2月の手術、か…。


いや、悲しい時間は遠い昔の話。





そう、12年前、恋人になることはなかったけれど恋人以上に近かった人。

その関係が終わっても、互いに最初で最後の親友だと想い合えた人。

そして、人として二度と信じることが出来なくなった人。



それがマスターにとっての僕。



それでもそのお店を振り返る時、なくてはならないパーツ。



それが僕。






クスクス

マスターにとって、随分面倒臭い存在だよなぁ。



僕とのことなんて黒歴史扱いで、ゴミ箱にポイすりゃいいのに。


それも出来ないからいつもパンクしてたんじゃんねぇ。

ったくもー。


あんまり優しすぎるのもよくないぞ。




ま、あれか、改まった口調なのも、メールなのも、

面倒臭い部分はいらないから、この店の大事な一人のお客さんとして来てね^^

っていう念押しってところか。



そんくらい、わーってるわーってるって。


分かってるけど、俺 は 自 由 に ふ る ま わ せ て も ら う が な っ !!
 








クスクス


立ち位置は心得てるよ、安心して。



もしかしたらゲーム実況の声でも聴いて懐かしくなったか…。

いや、ゲームばっかりしてないで、ちゃんとやりなさいよっ!!

って、ちょっと怒ってんのか。




クスクス


色々、あったね…。






まあ、あれだ…。

なんか、これだけだと、一人の客が勝手に店に通い詰めて妄想してるみたいな感じだけど、

武士の情けで、

マスターのターンの回想は止めておいてあげよう。





だって、ねぇ。


本気で回想しだしたら、マスター、



ごめんなさい、あやまります、本当、すみませんでした…



としか言えなくなっちゃうしなw












クスクス


100年に足る恋をした。


それ以外に言いようがないや。













今日はずっと開けておきますね。放っておくと、あなた死にそうだから。


あれも、午前4時くらいだったか…。

そして、気が付けば君が僕の部屋に立っていたのも午前4時…。


好きだったな、午前4時の静けさが…。


君と過ごす時間が。










クスクス


おかげで今も生きてるよ♪

ありがと♪

そして、今度こそ本当にお別れだな。

さよなら、マスター♪





by hot_soul | 2014-01-23 18:02 | 夜の戯れ言