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西の都の物語

hotsoul.exblog.jp

冬が始まるよ♪

水色

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                              **


想いは水色の雫の中で揺れてる
三日月が手のひらに浮かぶこの夜に

今ひとたびの 言葉だけ
貴方に伝えましょう

溶けては染み渡る
ほのかな夜の吐息よ

愛しい涙色の声で泣く虫と
闇夜を照す星達の心に憧れて

悪戯な花びら
遙か遠い雲の便り


私は水色の翼 大空に広げ
疲れて飛べない日は 大きな木に止まり

愛の言葉と風の唄
貴方にうたいましょう

季節は限りなく回り続けてるけど
私のこの心に光る水色は
いついつまでも 変わらない 空と海の色

思い出よ ありがとう

白い波が 頬を濡らす
青い地球がまぶしすぎて
                     UA 「水色」


                              **


もし、いつかDAIがこの中国旅行の旅記を書き終えることがあるなら、
ずぼらなDAIの性格だから、ない気もするが、
上海のヒリヒリした空気に触れて、
DAIの頭の中のモヤモヤがスーッと霧散する瞬間がクライマックスになる予定。

そして、彼女は言うだろう。
「思い出は塗りなおさないかんのとちゃうんですか?」と。


                              **

封印され、使うことの無くなったDAIの感覚の領域が開く瞬間。
太宰府に居る限り、おそらく使っても3速までであろう感覚のギア。

この街では7速まで必要だな、という身の毛のよだつ感覚。
それとともに開かれた記憶の扉。
開かれた記憶達が過去になる瞬間。

戦うための街。
その空気。


                              **


中国の写真を編集するとき、BGMにカレン・モクの「真夏的果実」を選んだ。
(歌っているのはカレン・モクじゃないんだけれど。)
結果的に、この旅をイメージする曲に定着してしまった。

お気づきの人はいるかもしれないが、
BGMに使用した曲の大半が、実は日本曲のカヴァーだ。

一曲、一曲に選曲の理由はある。
当然、隠されたメッセージも含まれている。

それは

恋人同士だったかどうか、本人達でさえ分からず、
苦笑いの中、確認しあわないといけなかった人へのメッセージかも知れないし、

離れている関係だからこそ、誰にも言えない秘めた気持ちをさらすことができた
古き友人へのメッセージかも知れないし、

もしかしたら、DAI自身へのメッセージかも知れない。

それが、日本語バージョンなのか、中国語バージョンなのか、
どのメッセージが誰のためのなのか、言う必要は感じない。


                              **


カレン・モクの「真夏的果実」は、日本語の原曲に比べると、
随分と叙情的な響きがある。
叙情的だけれど、淡々と、過去を振り返っている、そんな印象がある。
涙が流れるとしたら、気づかない間に、サラッとつーっとという感じ。


                              **


原曲はもう少しポワポワとしている感じを受ける。
ホンワリとして、気持ちをただ水色にさらしている感じ。

歌の中の彼女は思い出と目の前の景色と、
何にとらわれることなく、自分の気持ちをさらしている。
そんな彼女が、最後の一節で、頬が濡れたことを、
白い波と、青い地球のせいにする。

この歌はその瞬間、「真夏的果実」よりずっと叙情的な響きを持つ。

思い出のためにだけ泣く痛さを、彼女はきっと知っているのだろう。
だから、何ものにもとらわれない状況下でだけ、何かを思い出す。
気持ちをごまかしているわけでも、仮面を被せているわけでもない。

なにもののためにでもなく、ただ頬が濡れている。

そこまで思い出のもたらす痛みを熟知して、
なお、何かを思い出し、
思い出よ、ありがとう、と言える彼女を想像するとき、
DAIの中に、密やかな 「祈り」 がよみがえる。
by hot_soul | 2007-08-19 15:23